支援の理念とめざすもの

支援の理念

同じスタートラインに立ちたい。
そして、そこからは自分の足で歩いていきたい。
そんな聞こえない学生を
わたしたちは入試から卒業までサポートします。

大学入学後、学生はみな等しく、卒業後のなりたい自分をめざして学ぶ機会が与えられます。4年間をどのように使うかは自由です。同じスタートラインに立っていると言っても良いでしょう。しかしながら、聴覚に障害を持つ学生は、適切な支援がなければ「同じスタートライン」に立つことすらできません。本学では、障害の特性に合った適切な支援を行うことで「同じスタートラインに立たせる」「そこからは自分の足で歩ませる」ことを、支援の理念としています。

 

支援を通してめざすもの

情報保障をはじめとする聴覚障害学生支援は、全国の大学で徐々に整備されてきています。しかし、その一方で、一般社会では、ろう・難聴者への理解・支援は大学ほどは進んでいない現実があります。こうした現実を前に、支援はあまり利用しない方が良い、大学で情報保障を使いすぎるのはよくない、という考え方もあるでしょう。しかし本当にそうでしょうか。

このような厳しい現実がまだある社会の中で、聴覚障害学生が自分の本来の能力を発揮していくためには、聞こえないことや必要なサポートを他者に上手に伝え、自分を助けてくれる人を自分で増やし、必要であれば交渉をし、自分の力の発揮を妨げるものを取り除き、自分自身で環境を整えていくことが必要でしょう。自己擁護力(self-advocacy skill)と言ってよいかもしれません。

そして、この自己擁護力は、大学在学中に支援を受けることを通して身につけられると考えています。自分に合った支援を受けるためには、自分のニーズや困っていることを上手に伝え、時には理解のない人に説明をしていかなくてはなりません。また、支援者を増やすためにはどうしたらよいか考える機会もあるでしょう。支援を受けることは決して受け身の行動ではありません。支援を主体的に活用するためには、自分自身で考え、悩み、判断をし、決断をしていくことになります。この経験は、卒業後の社会で役立つ練習になるはずです。

私たちは、聴覚障害学生が支援を利用することを通して、聴覚障害学生に自己擁護力と支援を主体的に活用する力を身につけてほしいと願っています。